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本記事では、オウム病についてお伝えします。
オウム病は、オウムという名前がついていますが、オウムだけがかかる病気ではありません。
また、鳥だけでなく、様々な動物でも感染が確認されています。
鳥から人にうつることがある病気ですが、飼い鳥が感染しているかどうかは検査で確認することができます。
オウム病について正しい知識を持つことが重要です。
本記事では、鳥のオウム病について主にお話します。
オウム病とは
オウム病という名前がついていますが、鳥類全般がかかる可能性があります。
飼い鳥では、特にオカメインコ、セキセイインコで感染率が高いとされています。
国内の飼い鳥での検出率は10%程度、健康な鳥の陽性率は6%前後との報告があります。
オウム病は、鳥から人にうつることもある人獣共通感染症です。
文に感染していても症状が出ないことの方が多いため、人へうつることを避けるためには、遺伝子検査(PCR検査)で感染の有無を確認することが重要です。
原因
オウム病(鳥クラミジア症)は、クラミジア(Chlamydophila psittaci クラミドフィラ シッタシ)という細菌が原因の感染症です。
細菌が口や鼻から入ることで感染します。
オウム病にかかっている鳥の糞や分泌物が乾燥し細かい粒になったものや、それらが付着した羽毛を吸引することで、細菌が体内に入り感染します。
また、糞や尿が入った飲み水や餌の摂取や、親からヒナへの給餌によっても感染します。
症状
様々な症状が出ますが、オウム病に特徴的な症状がないため、症状だけでは他の病気との区別が難しいです。
以下の症状が出た時は、オウム病である可能性を考えるべきです。
- 元気食欲の低下
- 羽を膨らませている(膨羽)
- 体重減少
- くしゃみ
- 鼻水
- 結膜炎
- 涙が出ている
- 咳
- 呼吸困難
- 尿酸(本来白い液状の尿)が黄色や緑色になる
- 下痢
- 多飲多尿
- 突然死
- けいれん
しかし、症状が出ないことの方が多く、症状が出ていなくても、他の鳥や人間にうつるため、注意が必要です。
また、症状が出ていなかったのに、免疫力の低下などがきっかけで数年後に突然発症するケースもあります。
検査
遺伝子検査(PCR検査)を行います。
遺伝子検査の検体は、便、後鼻口スワブ(口の奥の部分をぬぐったもの)、総排泄腔スワブ(おしりの穴をぬぐったもの)、血液などです。
しかし、遺伝子検査で陰性であっても必ずオウム病でないとは言い切れず、その検査のときに採取した検体の中にはオウム病の原因細菌が入っていなかったということしか証明できません。
症状が出ている場合は、血液検査やレントゲン検査を行い、呼吸器症状や消化器症状の確認を行います。
治療
抗生剤で治療を行います。
オウム病の原因細菌は細胞内でしか増殖できない特殊な細菌で、細胞内に潜伏している間は薬が届かないためのため、投薬は長期にわたります(45日間)。
症状が軽度であれば、早期治療で予後は良好です。
感染した鳥から他の鳥や人間にうつるのを防ぐため、感染鳥の隔離が必要です。
また、ケージなどの糞便に汚染されたものは毎日、清掃・消毒が必要です。
清掃は人にうつらないよう手袋やマスクを着用して行う必要があります。
予防
遺伝子検査で感染していないことを確認し、感染が確認された鳥は隔離して治療をすることです。
新しく鳥をお迎えしたら健康診断とあわせてオウム病の遺伝子検査を行うと安心です。
また、鳥との濃厚接触は避け、鳥と触れ合った後は手洗いをしっかりと行いましょう。
人間のオウム病について
オウム病は鳥から人間に移ることのある病気です。
国内では年間30人前後の感染が報告されています。
ヒトに感染すると、突然の発熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛、咳などのインフルエンザ様症状が出ます。
治りにくい咳や息苦しさなどの症状を感じたら、オウム病を可能性の1つして疑い、病院にかかり鳥を飼っていることを医師に伝えましょう。
特に免疫力の低下している人や妊婦さんは注意が必要です。
人間のオウム病について詳細はこちら:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154524.html
終わりに
オウム病は人にもうつることがある感染症です。
新しく鳥さんをお迎えしたら健康診断とあわせてオウム病の遺伝子検査を行うと安心です。
他の鳥さんがいる場合や、免疫力の低下している人や妊婦さんがいるご家庭では特に注意しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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