【鳥さん】鳥さんの保温方法

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この記事では、

鳥さんの保温についてお話します。

 

寒い季節は鳥さんの保温について悩まれている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

 

必要な温度に保つことができていないケースも少なくありません。

 

保温方法やよくある注意点についてお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。

 

 

鳥に保温は必要?

そもそも飼鳥に保温は必要でしょうか?

これには意見が様々ありますが、この記事では私の意見をお話します。

 

保温は「鳥の状態に合わせる」ことが基本です。

 

健康な成鳥であれば、

鳥さんの様子を見て寒がっていれば保温してあげれば良いです。

そこまで過保護にする必要はありません。

 

年中冷暖房の効いた環境で生活していては慢性的な発情につながります。

 

発情抑制方法についてはこちらの記事をご覧ください。 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

健康な大人の鳥さんでも、寒暖差には注意が必要です。

 

急に寒くなると体調を崩して来院する鳥さんの多いこと多いこと(^^;)

気温の急激な変化には気を付けましょう。

 

ただし、幼鳥・老鳥・病鳥については保温が必要と考えてよいでしょう。

 

幼鳥はまだ体が十分に発達していないので基本的に保温が必要と考えましょう。

 

老鳥は寒いのに寒さを感じる機能が落ちていたりするので(人間のお年寄りと同じです)温度を確認して必要に応じて対応しましょう。

 

病鳥は基本的に保温が必要です(熱中症は除く)。

 

鳥の具合が悪いときはとりあえず保温!

愛鳥の具合が悪くなった時、お家でできることは少ないですが、

保温は頑張ればできます!普段から愛鳥のために保温の準備をしておきましょう!

 

 

獣医師としておすすめの鳥用の保温器具

 別記事にて獣医師としておすすめできる保温器具を紹介しています。

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

 

日常的に行う保温(健康な成鳥)

保温方法の基本

鳥さんの保温は「鳥の様子に合わせる」「空気を温める」「温度計で温度を数字で確認」「サーモスタットを併用」が基本です。

 

「鳥の様子に合わせる」

鳥さんが寒がっていたら保温し、暑がり始めたら保温をやめる。

これだけです。

健康な成鳥であれば「温度計を見ながら1℃の狂いもなく徹底的に温度管理する」なんて必要はありません。

ただし、体の機能が未発達な幼鳥や衰えている老鳥は、温度計でしっかりと温度を確認しなら保温しましょう。

 

鳥が寒がっているときの様子とは? 

・羽を膨らませている

・足を体にしまって片足立ちしている

・顔を背中にうずめている

 

 

このような状態を「膨羽(ぼうう)」と言い、

「寒いよ~」のサインです。

 

膨羽は、

羽毛を膨らませて空気の層を作り

体温の低下を防ぐための行動です。

 

膨羽していると、

体が大きくなるので太ったと勘違いする方もいらっしゃいます。

 

膨羽は、寒いとき以外にも、

具合が悪いときや体のどこかが痛いときに見られます。

 

寒がっているのかどうかは「足の温度」で確認することができます。

鳥さんの足が冷たければ保温しましょう。

 

膨羽しなくなるまで保温を行いましょう。

(体の調子が悪いと保温しても膨羽をやめないことがあります。鳥さんの保温は32℃以上にはしないでください)

 

「空気を温める」

鳥の体の中は、気嚢という臓器が発達しています。

気嚢とは肺の奥に続いて存在する呼吸器の1つで、

鳥さんの内臓を包まこむように、

体の中の広くにわたって存在しています。

 

ということは、

吸い込んだ空気の温度が体の中から鳥さんに直接影響を与えることが分かりますよね?

 

よって、鳥さんの保温は空気を温めることが重要なのです。

 

鳥さんの保温は、

「エアコンやオイルヒーターなどで室温を一定にし、さらにその他の保温器具を併用して使う」と良いです。

 

保温器具にはいろんなタイプがありますが、

 

鳥さんの体は羽毛で断熱されているため、

接触型は保温効果は低め

 

遠赤外線型は調節が難しいのであんまりおすすめではありません。

 

「温度計で温度を数字で確認」

人間の感覚だけで適切な温度に保温することはできません。

 

鳥さんの状態と保温目的に合わせて何度にするべきか決めます。

(子ども?大人?お年寄り?健康?換羽中?具合が悪い?これらによって適切な温度は変わります。次の項目の「鳥さんに適した温度は?」を見てくださいね)

 

必ず温度計で実際の温度を数値化します。

目標の温度になっているか確認することで、

適切な保温ができているか確認しましょう。

 

使い方と環境(保温する空間の広さ、ケージなのかプラケースなのか、外気温が寒すぎるなど)によって同じ保温器具を使っても温度は違ってきます。

必ず温度計で確認しながら使用しましょう。

 

 

サーモスタットを併用」

保温器具を使用するときは基本的にサーモスタットを併用しましょう。

(写真ではサーモスタットと保温器具(保温電球)を接続しています)

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サーモスタットとは、温度の自動調節装置のこと。

サーモスタット自体に保温機能はありません。

保温器具とつないで、保温器具の電源を入れたり切ったりする機械です。

 

設定した温度より上がると熱源のスイッチが切れ、設定した温度より下がるとスイッチが入るようになっています。

 

サーモスタットを併用するときでも

温度計を設置し、人間が温度をチェックして調整してくださいね。

 

鳥さんに適した温度は?

・健康な成鳥 20~25℃

・幼鳥・老鳥・病鳥 26~32℃

 

 

温度はあくまで目安にして

鳥さんの状態を見て対応してください。

 

32℃以上は危険です。

脱水や熱中症のおそれがあるので、32℃以上にはしないでください。

 

保温器具を設置するときの注意点

・鳥さんがコード類をかじることできないように設置する

 

・鳥さんが火傷をしないように保温器具を設置する

 特に保温電球は表面がとても熱くなります。

 ケージの外に設置した方が安全です。

 

 保温電球による火傷はもう見飽きました。

 苦しむのは愛鳥です。本当に気をつけてください。

 

 ケージ内に設置する場合は20Wにしましょう。

 40W以上の保温電球はケージ内に設置しないでください。

 

 20Wでもずっと持っていられないくらいには熱くなります。

 鳥さんが上に載ってしまえば間違いなく火傷します。

 

 ケージの中に設置するときは、

 鳥さんが上に乗ることができないように

 保温電球の上部に隙間を空けずに設置しましょう。

 

 設置方法を工夫しても鳥さんが保温電球に直接触れるようであれば、

 ケージ内の設置はやめておきましょう。

 

・保温器具に水がかからない位置に設置する

 

・燃えやすいもの、熱で溶ける物を近づけない

 ビニールカバーやお休みカバーを併用するときは、

 保温器具に直接触れるまたは近づけすぎると有害物質が発生したり

 発火して火事につながることがあり大変危険です。

 

がっつり保温(幼鳥・老鳥・病鳥)

鳥さんの具合が悪いときなど、

がっつり保温が必要なときの保温方法についてはこちらの記事をご覧ください。

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

鳥の保温に関するQ&A

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

 

まとめ

鳥さんの保温 

・鳥の様子に合わせる

・空気を温める

サーモスタットを併用する

健康な成鳥は20~25℃くらい

幼鳥・老鳥・病鳥は26~32℃

・使い方によっては事故や火事につながるので設置方法に気を付ける

 

愛鳥に合った保温を行って、

一緒に寒い季節を健やかに乗り切りましょう(*^-^*)

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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