【鳥さん】獣医が伝える鳥の爪切り方法

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鳥さんのお医者さんをしていた獣医師とり子です。

動物病院での勤務経験と獣医師としての知識を生かし

鳥さんと飼い主さんの幸せにつながる情報を発信しています。

 

新型コロナウイルス感染症の終わりが見えない中、

動物病院で爪切りをお願いしたくても、

爪切りだけでは受け付けてもらえなかったり、

そうでなくても、

できるだけ外出を控えたいという方も多いかと思います。

 

しかし、鳥さんの爪が長過ぎる状態で放置すると、

鳥さんのケガにつながります。

また、慣れていないのに無理していきなりお家で爪切りをすると

大きな事故につながりかねません。

 

そこで、この記事では

「お家での飼い主さんによる鳥さんの爪切りの方法」をお伝えします。

 

私は動物病院での爪切りをおすすめしていますが、

お家で爪切りをする場合は、

この記事をよく読んで準備を万端にしてから臨みましょう。

それでは解説していきます。

 

 

まず最初に伝えたいこと

私は「鳥さんの爪切りは動物病院で行うことをおすすめ」しています。

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

動物病院での爪切りをおすすめする理由は、

出血等の事故を避けるため&定期的に健康診断を受けられるからです。

 

お家で爪切りをする場合も、

必ず年に2~3回は動物病院での健康診断に連れて行ってあげてくださいね!

 

必ず止血剤を用意し、

止血の方法をしっかりと頭にイメージしておき、

出血したら秒速で対応できるように準備をしておきましょう。

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

上記記事にも書いていますが、

鳥さんにとって出血は命にかかわることがあります。

小鳥にとって数滴の出血は大出血です!

止血は時間との戦いですので、

必ず止血剤を用意し、

止血方法を頭にたたきこんでから、

爪切りを行いましょう。

 

必要な物

・切れ味の良い爪切り

・止血剤(小麦粉や片栗粉ではなく動物の爪用の止血剤)

・鳥さんを包み込むことができる大きさのタオル(必要に応じて)

・2人体制(できる限り)

 

 おすすめの爪切りはこちらです

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

出血が止まらなかった場合に

「鳥類の診療ができる動物病院に連絡して、すぐに連れて行ける」ように、

日頃からかかりつけの病院をもち、

爪切りをする時間帯もなるべく考えましょう。

 

役割分担

できれば2人体制で行いましょう。

 

・1人が保定(鳥を押さえる)

・1人が爪を切る

 

より鳥の扱いに慣れている人が保定をやりましょう。

爪切りは保定がとても重要です。

 

必要な物を手元に準備してから始める

まず必要な物を手元にそろえます。

 

止血剤は爪を切る前に粉を手元に出しておきます。

 

準備が整ったら、鳥さんを捕まえ、保定します。

 

 

保定方法

爪切りは保定が1番のポイント!

保定がしっかりできていれば爪切りもすぐ終わります!

爪切りが上手くできるかは保定にかかっています!

 

手で保定する場合

基本的には無理せず2人体制で役割分担をして、

保定係は両手を駆使して保定に専念しましょう。

小鳥の保定に力は必要ありません。

力を入れすぎないように注意しましょう。

 

<1人で保定しながら切る場合の保定方法>

鳥の扱いに熟練した人でなければ

1人で保定しながら切るのは難しく、

事故につながりやすいためおすすめしません。

 

1人で保定しながら切る場合の保定方法が

基本の型となるので、まず最初に紹介します。

 

利き手と反対の手で

鳥の首を人差し指と中指ではさんで保定します。

手の残りの部分は鳥の体に添えるだけです。

 

鳥の頭を上に伸ばし、

鳥の肩を下に下げるようなイメージで、

鳥の首が伸びた状態にできれば、

うまく保定が決まり、

鳥が暴れることができなくなります。

 

爪を切るときは、

切る方の鳥の足を手繰り寄せて、

人差し指と親指で鳥の足を固定します。

 

写真では伝わらないかもしれませんが、

押さえるのは鳥の首だけです。

(押さえると言っても力は必要ありません。鳥の首を軽く指ではさむだけです。)

このとき、鳥の胸を押さえはいけません。

鳥の胸を押さえるのは人間の首をしめているのと同じ状態です。

 

鳥の右足を固定

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鳥の左足を固定

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写真では伝わりにくいと思いますが、

人差し指と中指で首を固定+人差し指と親指で足を固定

しています。

 

<2人体制の場合の保定方法>

 

方法①

基本の形は

<1人で保定しながら切る場合の保定方法>と同じです。

 

片手で

鳥の首を人差し指と中指ではさんで、

手のひらで鳥の背中側全体を包み込むように支え、

人差し指と親指で鳥の足を固定します。

 

反対の手で、

鳥のおしりの下~しっぽ辺りを押さえることで、

保定が安定し、切る人も爪が見やすくなります。

 

方法②

①の方法でうまく固定できないようであれば…

 

片手は鳥の首を持つことに集中し、

 

もう片方の手の小指側の手の側面で

鳥のおしりの下~しっぽ辺りを押さえながら、

(チョップするようなイメージ)

親指と人差し指で鳥の足をつまんで固定します。

 

両手をフル活用して、鳥を全体的に優しく押さえましょう。

 

両手を使ってしまうとうまく写真が撮れませんでしたがこんな感じです。

(タイマー撮影で必死過ぎて余計な物が写っています。お恥ずかしい(^^;))

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写真では力加減が伝わらないのですが、

押さえるのは鳥の首だけで、

押さえると言っても力は必要ありません。

鳥の首を軽く指ではさむだけです。

首以外の部分にはそっと包むように添えるだけです。

鳥の胸を押さえないように気をつけます。

 

タオルで保定する場合

タオルを使った方がより安定して押さえることができると思います。

タオルを使えば、「手」ではなく「タオル」を悪者だと思わせるという効果もあります。

ただし、鳥さんの顔も体も見えなくなってしまうため、

常に鳥さんの状態に細心の注意を払いながら押さえてください。

 

タオルですっぽり鳥さんを包み込み、鳥の足だけタオルから出します。

タオルの上から手の感覚を研ぎ澄ませて鳥の体の構造を意識しながら押さえます。

 

押さえ方は「手で保定する場合」と同じです。

押さえて良いのは鳥の首だけです。

タオルを使うことで、鳥の体を全体的に優しく押さえることができます。

 

首以外の部分をタオルが強く圧迫していないか常に確認しながら、保定しましょう。

特に、胸を押さえないようしてください。

鳥の胸を押さえるのは人間の首をしめているのと同じ状態です。

 

*保定は難しい

爪を切るためには、爪以外の部分を切ってしまわないように、

しっかりと保定(鳥さんを固定するように押さえること)する必要があります。

鳥さんの爪切りを上手に行うためには、

爪を切る作業より、この保定が上手くできるかが1番のポイントです。

 

鳥の保定は見た目より難しいです。

新人の獣医さんは最初ひたすら保定の練習をするんですよ!

同じように持っているのになにかが違う…

同じ部位を押さえているのになぜか鳥が暴れてしまう…

感覚的なものなので、できるようになってしまうと、何をどうすれば良いのか言葉では説明できないのですが(^^;)

 

そんなことをいきなり飼い主さんがやろうとしてもできません。

逆に鳥さんの保定はばっちり!でしたら爪切りもスムーズにできるはずです。

鳥に関わらず動物の治療や処置は保定が最重要ポイントだったりします。

そして保定には経験によって培われた技術が必要です。

 

切る長さを見定める

図のように正常な爪の形をイメージしながら切ります。

足の指の延長線上のラインで切ります。

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爪の中には血管が走っていますので、

血管が透けて見える白爪の場合は

血管の先端より少し長めに爪が残るように切ることになります。

 

黒爪の子は血管が見えませんが、

足の指の延長線上のラインで切るようにすれば

安全にちょうど良い長さに切ることができますよ。

 

切るときの注意点

鳥が足をバタつかせて爪以外の部分を切ることがないように、

切るときは鳥さんの足をしっかり固定します。

(力は要りません。人間の指のはらでやさしくつまんでください。)

 

爪切りを持つ手を反対の手に触れた状態にすると、爪切りを持つ手が安定します。

 

切る部位を見定めたら、一発で切りましょう。

 

爪切りで保定をしたときは健康チェックのチャンス

捕まえないとじっくり見られないお腹側を観察したり触るチャンスです。

余裕があれば以下の点をチェックしてみましょう。

 

・足裏

赤くなっていませんか?タコができていませんか?

 

・胸骨と胸筋

胸の筋肉の付き具合(胸の骨のとがりぐあい)で肉付き(太っているか痩せているか)が分かります。 

 

・お腹

やさしく触ってみましょう。慣れると骨盤が開いているか、卵ができているかが分かります。 

 

・おしり

汚れていませんか?

 

爪切りに時間がかかった場合は、

とにかく早く鳥さんを解放してあげましょうね。

 

とにかく無理はしないで

爪切りは慣れていないと難しいものです。

 

安全第一!無理はしないでください!

 

時間がかかってしまったら、無理せず日を改めましょう。

 

飼い主さんが緊張していると、鳥さんにも伝わります。

 

鳥さんの恐怖心が増し、

より暴れるようになり、

余計に爪切りが上手くいかなくなります。

 

動物病院で爪切りの指導を受けるのも1つの手(おすすめ!)

どうしてもお家で爪切りができるようになりたい場合は、

爪切りを持参して、かかりつけの先生に直接指導してもらえないか聞いてみましょう。

1番安全な練習方法だと思いますよ♪

 

まとめ

お家ので鳥の爪切り方法のポイント 

・必要な物を準備してから始める!止血剤は必須!

・爪切りは保定が1番大事!しっかり固定できないなら2人体制で!

・保定で押さえていいのは鳥の首だけ!絶対に胸は押さえない!

・鳥の足のゆびの延長線のラインで切る

・切るときは鳥の足をしっかり固定!

・爪切りを持つ手も反対の手を触れて安定させる!

 

 

とにかく安全第一で!

事故を予防するためにも鳥さんの関係性を崩さないためにも

無理をしないことが大切です!

  

保定の方法などは言葉では伝わりづらい部分が多いので、

分かりにくい部分や、ちょっとでも不安なことがあれば、

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・ブログのコメントやお問い合わせフォーム

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仕事のため平日はお返事できないことがありますが、

お問い合わせに気付いていれば必ず返信します。

 

鳥さんの幸せのためにできることがあれば尽力したいと思いますので、

お気軽にお声掛けくださいね♪