【鳥さん】発情によって起こる病気

鳥さんのお医者さんをしていた獣医師とり子です。

動物病院での勤務経験と獣医師としての知識を生かし

鳥さんと飼い主さんの幸せにつながる情報を発信しています。

 

鳥さんの病気の原因として最も多いのが発情です。

この記事では、以下の内容をお伝えします。

・発情がどうしていけないの?

・どんな症状や病気が起こるの?

 

この記事を読むことで、

・発情抑制の必要性を理解できます

・いち早く病気を察知できる知識が身に付きます

 

愛する鳥さんが健康で長生きできるように

鳥さんの発情によって起こる病気について知っておきましょう。

 

 

発情がなぜいけないの?

発情すること自体は生物として自然なことです。

問題となるのは、

発情しすぎること。

 

自然界で生きている鳥さんは、

決まった季節にだけ発情します。

 

ところが、

季節に関係なく、

年に何回も発情したり、

持続的に発情していたりすると、

体に良くなさそうだということは容易に想像できますよね。

 

この発情しすぎることが病気の元となるのです。

 

ちなみにニワトリは卵をたくさん産みますが、

鳥として正常な状態ではありません。

 

家畜や家禽は人間の都合に合わせて

改良して作り出された動物です。

 

ニワトリはあまり産卵しなくなると

廃鶏として寿命を全うすることなくお肉になります。

残念ながらこれが現実です。

 

たまに飼い主さんの中にも、

しょっちゅう産卵していてもそれが異常な状態だとすら気づいていない方がいらっしゃいます。

鳥なんだから毎日卵を産むのは当然だとおっしゃる方もいます。

 

常に発情していることは

鳥さんにとってふつうのことではありません!

 

鳥さんたちのために、

鳥さんの正常な状態について知っておきましょう。

 

 

発情しずぎるとどんな病気になるの?

発情はいろんな病気につながります。

以下、主だったものを紹介します。

 

男の子♂

過剰な交尾行動による出血

お尻をこすり続けることによりおしりがすり傷と同じ状態になってしまします。

傷がひどくなると出血してしまう子もいます。

 

精巣が大きくなることによる障害

お腹の中にある精巣が大きくなり、足の神経を圧迫し、足が麻痺してしまうことがあります。

 

精巣腫瘍

セキセイインコの男の子で、ろう膜(鼻の穴がある部分)の色が茶色になったら要注意!!!

精巣腫瘍が出すホルモンによって、ろう膜が茶色になることがあります。

 

※精巣は熱に弱い臓器です。

哺乳類では体の外にありますが、

鳥さんは空を飛ぶときに邪魔にならないように、精巣がお腹の中にあります。

お腹の中で気嚢(肺の前後にある呼吸器官)と接しており、

呼吸により精巣を冷やす仕組みになっています。

発情すると精巣が通常時の何倍も大きくなるため、

精巣がお腹の中の他の臓器の熱にさらされて

冷やすことができなくなり病気につながります。

 

女の子♀

軟卵

卵の殻がうまく作られなかった異常な卵。

 

原因としては、

・食べているごはんにカルシウムやビタミンが足りない場合

・卵を産みすぎている場合

が考えられます。

 

対策としては、

まず正常な卵を作るための栄養を与えましょう。

ネクトンMSAがおすすめです。

 

 産卵期に必要な栄養に特化したサプリメントです。

カルシウム、ビタミン、ミネラル等が含まれています。

 

ネクトンは、鳥さんの飼い主さんにもユーザーが多く、

動物病院でも利用されています。

 

<使用時の注意点>

ネクトンSやネクトンBIOは飲み水に混ぜる方法をおすすめしますが、

MSAは水に混ぜてはいけません。

餌に振りかけてあげてください。

 

関連記事:鳥用の栄養補助食品ネクトンについて

 

いくらカルシウムやビタミンたっぷりのごはんを食べていても

毎日卵を産み続けていると、

足りなくなってしまいます。

 

こうした状態の子には、

根本的に産卵をやめさせる、

つまり発情を抑制することが重要です。

 

軟卵は鳥さんの体が出すSOSのサインです。

その子にあった発情抑制方法を見つけてあげましょう。

 

また、軟卵は卵詰まりを起こしやすくなります。

軟卵が続いている場合は要注意です。

 

卵詰まり(卵塞、卵秘)

体の中で卵が詰まって出てこない病気です。

 

卵詰まりの大きな原因となるのが、カルシウム不足です。

カルシウムが足りないと卵がうまく作れず軟卵になり、

つるっと出ないので、物理的に詰まりやすくなります。

 

またカルシウムが足りないと卵管が収縮する機能が落ちます。

卵管は、卵を作りあげて、出来上がった卵を外へ押し出す臓器です。

卵管がうまく収縮しないと卵を押し出すことができず、

卵が詰まってしまいます。

  

卵が出来てから24時間経っても出てこなければ卵詰まりです。

 

ただし、

卵が出来ていることを確認するには

鳥さんを捕まえて、お腹を触ってみないと分かりません。

触っても、卵かどうかは慣れていないと判断が難しいかと思います。

また、できている卵が軟卵であれば、ほぼ分からないかと思います。

 

体重を定期的に測定していれば

急な体重が増加(卵の重さ分)で卵ができたことに気づくことができます。

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

 

 

最後の産卵から数日経ったら

獣医さんにお腹の中に卵がないことを確認してもらうと安心です。

 

卵詰まりに関わらず、

鳥さんが明らかに具合が悪そうなときは

様子を見てはいけません。

至急病院へ連れて行ってあげてください。

少しでも早い方が鳥さんを助けてあげられる可能性が高まります。

 

卵詰まりは卵の位置によっては便を出す部分をふさいでしまことがあり、

こうした場合は一気に鳥さんの状態が悪くなり、命にかかわります。

 

卵詰まりの治療は、

カルシウム剤の注射や卵を手で押し出す処置をします。

ただし、状態によっては手術が必要なこともあります。

 

低カルシウム血症

体に力が入らない、足が麻痺したように歩けない、痙攣(けいれん)するといった症状が見られます。

 

総排泄腔脱・卵管脱

卵を産むために過度にいきむことにより

お尻の穴から内臓の一部が飛び出してしまう病気です。

緊急事態ですので

気づいたらすぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。

動物病院では飛び出した部分を元に戻す応急処置をします。

縫合が必要なこともあります。

鳥さんの状態や飛び出した部分の状態によりますが、

入院が必要になるケースも多いです。

 

腹壁ヘルニア

慢性的な発情が原因と言われています。

お腹の筋肉が裂けて、腸などの内臓が飛び出してしまう病気です。

お腹が明らかにぽこっとそこだけ飛び出すように膨らむので、見た目で分かります。

おおきなでべそのように見えます。

根本的に治すには手術しかありません。

 

卵管蓄卵材症や腹膜炎

お腹の中で卵の材料が本来あるべき場所(卵管)から外に出てしまい、お腹の中で炎症を起こしてしまう病気です。

手術で卵の材料を取り除く必要があります。

 

肝障害

卵黄の材料はタンパク質です。

タンパク質をたくさん作るために肝臓が働きすぎて肝臓に障害を起こします。

 

くちばしや爪が伸びすぎる、黒くなっている

肝障害とタンパク質不足により、

嘴や爪がうまく作られず、質の悪い状態で長くなります。

また、血液凝固不全によりくちばしや爪に出血斑ができると黒くなります。

  

骨の変形、関節炎

卵を作るために必要なカルシウムは、

骨に貯蔵し、必要量を骨から血中に放出することで

量を調節する仕組みになっています。

これを繰り返すと骨の変形や関節炎を引き起こします。

 

 

まとめ

・常に発情していることは鳥さんにとって異常な状態

・発情し過ぎることによって様々な病気が起こる

・特に危険な病気は

 男の子の精巣腫瘍

 女の子の卵詰まりやお腹の中での卵によるトラブル

・病気を防ぐためには発情抑制が重要 

 

わたしは全ての鳥さんの幸せを願っています。

そのためには、どうしても飼い主さんの理解と努力が必要となります。

 

病気の話をすると、どうしても専門的な言葉が多くなってしまいます。

できる限り理解を深めていただきたいので、

分かりやすく簡潔に説明するよう努めました。

 

言葉の意味が分からない、

もっと詳しく知りたい、

などなどありましたら、

遠慮なくコメント等でお知らせください(^^♪

 

発情が落ち着き換羽中のうちの子。筆毛つんつん。鼻の色が半分戻りました。

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とり子も日々悩まされています。

鳥さんの飼い主さまは一緒に頑張っていきましょう。

 

発情を抑制する方法

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com

 

発情を知る方法

 

hatarakitakunai30.hatenablog.com